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介護業界の外国人材コラム

2024年02月02日

技能実習制度に代わる育成就労とは?新たな制度についてわかりやすく解説!

技能実習制度は、本来、国際貢献を目的として作られた制度でしたが、人手不足の業界を中心に労働力として受入をする企業が大半となり、制度の目的と実態の乖離が問題視されてきました。

政府機関で様々な議論が行われていましたが、令和4年12月から16回にわたり開催された有識者会議での議論を踏まえた最終報告書が昨年11月30日に発表されました。

 

今回の記事では、これから技能実習生の制度がどのように変わっていくのか?

今回発表された「育成就労」とはどのようなものなのか?

その影響についてなどわかりやすく解説していきます。

※出入国在留管理局の「技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議」において最終報告書が公表されています。

 

育成就労制度

最終報告書によると、技能実習制度は廃止され、新たな制度として「育成就労制度(仮称)」が創設されることになりました。

人材確保と人材育成を図る制度として運用されていくことになります。

 

①新たな制度及び特定技能制度の位置付けと両制度の関係性

旧制度新制度
国際貢献を目的とし、技能、技術又は知識の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う「人づくり」に協力する。

・技能実習での受け入れは最長5年間。

人材確保と人材育成を目的とする。

・基本的に3年の育成期間で、特定技能1号の水準の人材に育成。

特定技能外国人と同様に労働人材の確保と育成を目的とすることになります。

つまり、最終的には受け入れた外国人のスキルアップを目指し、希望者は特定技能へ移行することが前提ということになります。

 

②新制度での受入れ対象分野や人材育成機能の在り方

旧制度新制度
・受入れ対象分野は、90職種165作業(令和5年10月31日時点)で、特定産業分野と必ずしも一致はしていない。

・技能検定試験(基礎級、随時3級、随時2級)や日本語能力試験などの必要な試験に合格すると技能実習2号、3号への切り替えが可能。

・受入れ対象分野は、特定技能制度における「特定産業分野」の設定分野に限定される。

※国内における就労を通じた人材育成になじまない分野は対象外となる。

・従事できる業務は、特定技能の業務区分と同一になる。育成開始から1年経過、育成終了までに試験を義務付け、育成・評価の対象とする。

※試験不合格になった場合は、再受験のための最長1年の在留継続資格が付与される。

・季節性のある分野(農業・漁業)で、実情に応じた受入れ・勤務形態を検討。

受入れ対象分野は、特定技能制度における「特定産業分野」の設定分野に限定されるようになります。

つまり、旧制度では受入れることができていた職種が、新制度になると受入れできなくなる可能性があります。

 

③新制度における転籍・転職の在り方

旧制度新制度
原則に認められない。「やむを得ない事情がある場合」の転籍の範囲を拡大・明確化し、手続を柔軟化。

一定の条件下で、本人の意向による転籍が可能。

【本人の移行による転籍に必要な条件】

①同一企業での就労が1年超/技能検定基礎級合格、日本語能力A1相当以上の試験(日本語能力試験N5等)合格/転籍先機関の適正性(転籍者数等)を設ける。

②同一業務区分内に限る。

これに伴い、転籍前機関の初期費用負担について、不平等が生じないように転籍時に正当な補填がうけられるように措置を講じるとされていますが、具体的なことは決まっていません。

監理団体やハローワーク、技能実習機構等による転籍支援を実施することや、育成終了前に帰国した者につき、それまでの新たな制度による滞在が2年以下の場合、前回育成時と異なる分野・業務区分での再入国を認める等、大きな緩和が見受けられます。

 

④監理・支援・保護の在り方

旧制度新制度
各監理団体、登録支援機関、技能実習機構で支援の体制にばらつきが見られる。・技能実習機構の監督指導・支援保護機能や労働基準監督署・地方出入国在留管理局との連携等を強化し、特定技能外国人への相談援助業務を追加。

・監理団体の許可要件などを厳格化

※優良監理団体・受入れ機関については、手続簡素化といった優遇措置。

今回の制度改革で多くの監理団体や登録支援機関が淘汰されていくでしょう。優良な監理団体や受入れ機関はより多くのメリットを享受できるようになりそうです。

 

⑤特定技能制度の適正化方策

旧制度新制度
・特定技能1号への移行は、以下を条件とする。

①技能実習の職種・作業内容と、特定技能1号の業務に関連性があること。

②特定技能1号試験+日本語能力N4 または

③技能検定3級等に合格していること。

・特定技能1号への移行は、以下を条件とする。

①技能検定3級等または特定技能1号評価試験合格

②日本語能力A2相当以上の試験(日本語能力試験N4等)合格

※当分の間は相当講習の受講も可。

・試験不合格となった場合は、再受験のための最長1年の在留継続を認める。

・育成途中の特定技能1号への移行は、本人意向の転籍要件を踏まえたものとする。

・支援業務の委託先は登録支援機関に限定。登録支援機関の登録要件が厳格化される。

特定技能1号への移行は試験の合格が条件となっていますが、不合格の場合は1年間の猶予期間が設けられます。

 

⑥送出し機関及び送出しの在り方

旧制度新制度
悪質な送出し機関が存在。・二国間取決め(MOC)により送出し機関の取締りを強化する。

・送出し手数料等の透明性を高め、送出し国間の競争を促進する。

・支払手数料を抑え、外国人と受入れ機関が適切に分担する仕組みを導入する。

これまで不透明だった支払手数料(送出し手数料)を明確なものにし、不当な高額請求やキックバック等を行う悪質な送出し機関に対する取締りを強化するようです。

 

⑦日本語能力の向上対策

旧制度新制度
向上対策という観点では、本人の能力や教育水準に定めはない。継続的な学習による段階的な日本語能力向上。

・就労開始前:A1相当以上の試験(N5等)合格または相当講習受講

・特定技能1号移行時:A2相当以上の試験(N4等)合格または相当講習受講(当分の間)

・特定技能2号移行時:B1相当以上の試験(N3等)合格

優良受入れ機関の認定要件に、日本語教育支援の取り組みが入ってくる等、日本語教育が重要視されていく方向です。

 

現行制度と新制度についての比較

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次回の記事では、技能実習生・特定技能受入れ企業への影響や課題について言及します。

 

 

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